オフェンス時のローテーションについて
コートが狭いフットサルでは大きなスペースを持つサッカーに比べるとボールを保持し続けるのは難しくなります。
フットサルには華麗な足技やドリブル突破のイメージを持っている方はかなり多いと思います。しかし実際はボールを失わないようにパスを繋ぎゴールを狙っていくスポーツです。
コートの狭いドリブル突破にはメリットもありますがリスクも多く仕掛けどころを間違えばすぐ失点に繋がってしまいます。
20m×40mという狭いコートの中でプレッシャーがかかりやすいフットサルでボールを失わないようにするにはどのような戦略が必要なのか考えてみましょう。
まずはローテーションのメリットを学ぼう
ローテーションとは言葉の意味通り、選手が順番に決められた動きをする事を指します。
選手が止まらないので流動性が高まりスペースが生まれる
ローテーションを行うことによって味方選手が常に動くことになります。ボールを持っている時に選べる選択肢はフットサルではGKを除けばパスコース3本だけです。(シュートやドリブル突破は除く)
この少ない選択肢の中の1つが死んでしまう(出せない)状況になるとボールポゼッションを維持するのは難しくなります。パスコースが2本消えれば相手からすればパスの出処は予測が付くのでボールを奪うのは容易な事です。
その為、プレー中に選手が止まってしまう事はデメリットが多く、ボールポゼッションは選手の流動性がキーポイントになります。
ローテーションを行い流動性を確保することによってコート内に新しいスペースが生まれれば、ボールを奪いたいと考える相手守備者の裏を取りやすくなり相手の積極的な守備から逃れやすくなります。
ローテーションにより運動量は増加しますので、相手の守備方法に合わせた運用は必要になります。
継続的に同じ位置・角度にサポートを行うことで狙ったパスラインを確保する
ローテーションというのはあくまでもボールを回すための一つの手段であり目的ではありません。多くの場合ローテーションの目的は相手守備のバランスを崩しチャンスを生み出すことです。
ゴールを狙う上で効果的なパスや狙った局面(サイドでの1VS1等)を生み出すためにローテーション行うのが一般的です。
その為、常に同じ位置・角度にサポートを作れる事で相手守備者の対応をコントロールし、自分たちに優位な状況を生み出しやすくします。
一つの動きに対して相手が対応をする事によって、普段は見えないパスライン(パスコース)が使えるようになったり、前のめりになった相手守備者の裏のスペースを狙いやすくなったりします。
ローテーションはあくまでも相手守備者のバランスを崩すものでありフィニッシュまでのルートではありません。相手守備者がバランスを崩したら素早く攻め込むことを意識しましょう。
ルート予測によるトランジション時のリスク低下
ボールを保持してパスを回していても失ってしまうシーンというのは必ず生まれてきます。もちろん味方のミスの発生のタイミングは予測することが出来ません。
自由に動いてボールを回していると意外性等でメリットがある場合はあれど失った際にミスの発生場所によっては高いリスクとなります。
ローテーションが決まっていることによってある程度、味方の動きやミスの発生場所を予測できるのでボールを失った際のリカバリーが準備しやすくトランジション(攻守の切り替わり)による失点のリスクを減らす事が可能になります。
あくまでも予測ですので被カウンターによる失点を減らせるというものではありません。
ローテーションの種類
・エイト(8の字の動き)
・ヘドンド(旋回の動き)
・クワトロ(ピヴォを置かないローテーション)
・トレス(3人のローテーション)